土川内科小児科ニュース  5月号  No.4 もどる

  
今月のテーマ医療法改正

 今月は、今国会で問題となっています医療法改正について取り上げてみます。まず、保険制度について説明します。医療機関を受診してかかった費用のうち、その一部を皆さんが負担しています。国民健康保険の方ですと三割、社会保険の場合は、本人ですと一割、家族の方で三割です。たとえば、社会保険家族の方ですと,風邪などで受診し、実際五000円かかった場合、その三割の一五00円を窓口で支払うことになります。私たち医療機関では、診療報酬明細書というものを支払い基金というところに一人一人について提出し、残りの三五00円をいただいています。これが、なかなか大変でどの医療機関でも月末はこの作業で忙しいわけです。もし、この請求にわずかでも間違いがあるとお金を払ってもらえませんので、保険証が変更になったときなどはすぐにお知らせください。
  一方、皆さんはそれぞれ加入している健康保険に対して、保険料を支払っているわけで、そのお金を財源としております。ですから、全然病気にならない方は、お金を払うだけで、他の人にそのお金を使われているわけですが、ひとたび病気になったときは、その恩恵にあづかれるわけで、ここまではお互い様ということになるかと思います。ところが、年々医療費が高騰し、健康保険の財源が不足してきたという問題が持ち上がりました。そのため、皆さんからもっと保険料をいただこうとなったわけです。たとえば、社会保険の本人で、これまでかかった費用の一割を負担していただいたのを二割負担していだだきたいなどと言うものです。さらに、政府案では、どの方にも薬代を一剤について一日一五円ずつ負担していただきたいとなっています。ここで、考えていただきたいのは、負担額を増やすことばかり考えている点です。医療費を安くするということでも問題は解決するはずで、そちらもいろいろと考えられてはいるようですが、現在考えられている解決案には疑問が残ります。「薬漬け、検査漬け」ということがよく言われますが、医療機関の立場から内情をお話しすれば、確かに薬を処方すれば多少の収入が得られますが、それはごくごくわずかなもので、少なくとも私は収入を意識してお薬を出したり検査をしたことはありませんし、おそらく世の中の多くのドクターもそうだと思います。医療費の約三割をしめる薬剤費、その日本の薬は世界一高いと言うことに注目してください。日本の新薬はアメリカやドイツの約二倍、フランスやイギリスの約四倍となっています。この薬の値段を決めているのは、厚生省です。高い値段がついて、得をするのは製薬メーカー、その値段を決めているのは厚生省、しかも薬の値段を決める根拠は全く公にされていない。このブラックボックスの中身を私たちはとうてい見ることができません。薬害エイズ、厚生官僚の天下りなどが、昨今頻繁に取りざたされているため、つい色眼鏡で見てしまうのかもしれません。もし、このまま決まってしまえば、具合が悪くても気軽に医療機関を受診できなくなる問題ですので、是非今後の成り行きに注目してみてください。堅い話になってしまいましたが、問題が問題だけにちょっととりあげてみました。

 キッズステーション

 子供用の待合室に設置してありますテレビでは、従来ビデオを流しておりましたが、今回衛星放送(パーフェクトTV)のキッズステーションを流すことにしました。これは一日中子供向けの番組を流しているチャンネルですので、待っている間退屈しないようになればいいなぁと思っています。もっとも、テレビに夢中になり、順番がきてももっと見ていたいとぐずってしまうケースもあるようで、なかなか難しいところです。あまりおもしろい番組でない場合は、受付に言っていただければ従来通りのビデオも流せます。(トップへ